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Series
展開
不動産 / よいチョイス
Real estate / YOI CHOICE
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思想
Thought
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建物を「所有」ではなく、「循環」させるために
SWAY DESIGNの不動産事業は、建物を持つことを目的としません。
老朽化や空室、維持管理の困難といった課題を、設計の力で解きほぐし、建物が再び時間とともに価値を育むしくみをつくる。
それは、建築の延長にある社会的な設計です。
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起点
Starting Point
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管理から始まった再生の構造
はじまりは、金沢・本多町の一棟の賃貸マンションでした。
築50年、入居率は半分以下。外壁は剥がれ、通路には草が生え、誰もが「もう終わった建物」と口にするような状況でした。
私たちはこの建物を壊さずに再生できないかと考え、まちなかに近い立地を生かして、1階をテナント、2・3階を住居とする複合型マンションとして再構成しました。
設計・施工に加え、管理・運営までも自ら担うという初の試み。
この経験は、建築をつくって終わるものではなく、関わりながら続いていくものとして捉え直すきっかけとなりました。
建築の寿命を延ばすことではなく、建築の時間を設計する。
この本多町コーポの経験が、SWAY DESIGNの不動産事業の原点です。
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実験
Experiment
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つくりすぎない自由
次に取り組んだのは、自社で物件を取得し、制作の主導権を自ら握るという実験でした。
金沢市里見町で行った「ハーフ・ビスポウク」。
住まいの半分を私たちが設計し、残りの半分を購入者が自由に仕上げるという提案です。
フルオーダーでも、完成品でもない。
つくりすぎないという自由を住まいに残すことで、作り手と住まい手が対話を通じて空間を完成させる。
これは、建築を「つくる行為」から「問いを立てる行為」へと変える試みでした。
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展開
Deployment
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関係を設計する
近年では、より社会の構造に近い場所での挑戦が続いています。
たとえば金沢市窪で手がけた築48年の木造住宅。
所有者は「支出を止めたい」という切実な願いを抱えていました。
しかし成年後見人制度のもとで売却が難しく、修繕にも投資する余力もない。
私たちはその状況に対して、「所有したまま貸す」という第三の選択肢を提案しました。
建物をSWAY DESIGNが一時的に借り受け、改修や活用の設計を行い、使い手へとつなぐ。
所有と利用のあいだに立ち、支出を止めながらも建物が社会の中で呼吸を続ける仕組みをつくる。
設計とは「形をつくる」ことではなく、「関係を設計する」ことだと考えています。
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姿勢
Posture
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滞りに関わるということ
私たちは、放っておいても循環していく資産価値のあるものには手を出しません。
市場がうまく機能している場所ではなく、時間が滞り始めた場所に関わること。
それが、建築を営む者の責任であり、私たちがこの事業を続ける理由です。
老朽化した建物、維持が難しくなった不動産、使い手を失った空間。
それらを「困りごと」としてではなく、「次の価値が生まれる余白」として見つめる。
建築・施工・不動産の各部門が連携し、所有者・使い手・地域のあいだに新しい循環の構造を描く。
その営みを、私たちは建築の続きと呼んでいます。
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続き
Continuation
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建物の終わりに、事業のはじまりがある。
そして事業の先に、また新しい建築の時間が始まる。
SWAY DESIGNの不動産事業は、その循環の中で、社会に持続する構造を描き続けます。