住宅や商店が軒を連ねて並ぶ通り。
その一角、間口4.55m、奥行き26.39m、裏通りまでつながるうなぎの寝床型の木造建物。
元・住宅。
ここを５人住まいのシェアハウスに作り変える。

適材。
ただし用途変更が必要。
つまり、寄宿舎に対する建築基準法への対応。

【天井から80cm以内に自然排煙口が必要。】
既存ではクリアできない部屋がある。

窓を付け替えれば済む。
しかしそれでは予算を超える。
【天井から80cm以内に自然排煙口が必要。】

天井から、天井から、天井から－

天井に勾配をつける。
既存窓は天井から80cm以内に設置されている。
文字通りに、法に則る改修を施す。

5名分の個室、共有室。

＊

玄関、既存片開き扉。
キッチン
床、フレキシブルボード
壁、ラワンベニヤオイルフィニッシュ、既存100角磁器室タイル
既存吊り戸棚を作りかえたカップボード
天井、構造あらわし。
吊り下げ式造作配線ダクト、陶器製レセップ
リビング
床、ラワンベニヤウレタン塗装
壁、クロス貼り、既存聚楽
5種類の個室

＊

別々の人、生活の共有
生活の共有、建物の個性
建物の個性、街の賑わい
街の賑わい、そのための寄宿舎

上本折八十四番館
シェアハウス