本多町コーポ ── 停滞を動かす再生
2018
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金沢市本多町に建つ、昭和47年築のRC賃貸マンションです。
この物件に出会ったとき、そこには築50年という歳月以上に、深刻な空室と機能不全が残っていました。
雨漏りや水道の錆水、そして全12室のうち半数以上が空室という現実がありました。
建物を解体して駐車場にする案もありましたが、土地の形状や収支の見通しを考えると、それは現実的な選択ではありませんでした。
購入しても活かすことができず、壊しても事業として成立しない。
その中間にある可能性を探ることから、この計画は始まりました。
価値の再編
Reframing Value
価値の再編
Reframing Value
改修にあたっては、一律の更新ではなく用途の再編を選択しました。
1階を店舗とし、2階と3階を住居とする複合的な構成に改めています。
住まいと営みを同じ建物に重ねることで、建物全体に新しい動きが生まれる構造を目指しました。
既存図面のない設備配管の調査や、不透明な改修費、想定外の劣化。
それら一つひとつの問題に対し、現場で確認と仮説、修正を繰り返しながら進めました。
持続可能性の検証
Testing Sustainability
持続可能性の検証
Testing Sustainability
設計の段階から、収支や運営の見通しを含めた計画を立てることを重視しました。
建物の価値は、改修した直後ではなく、その後の稼働のあり方によって決まります。
完成後、1階には新しいテナントが入り、住居も徐々に埋まっていきました。
現在は、すべての部屋が満室で稼働しています。
動き出した場所
A Place Set in Motion
動き出した場所
A Place Set in Motion
かつて停滞していたこの建物は、いまでは地域の中で機能する拠点となりました。
本多町コーポは、解体でも放置でもない第三の選択を、実務として積み重ねた場所です。
このプロジェクトは、次の段階へ進む契機となりました。
工事種別 / 改装
規模 / 地上3階
構造 / RC造
Before / 集合住宅
After / 集合住宅
設計 / 株式会社SWAY DESIGN
施工 / 山田建設株式会社
撮影 / イマデラガク